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ぬか床の塩の驚きの役割とは。足すタイミングとその量は?

この記事を読むのに必要な時間は約 8 分です。

ぬか床の塩の役割

ぬか床に塩を入れるのは基本中の基本ですが、その理由は1つではありません。

ぬか床の中に入れる塩には3つの役割があります。

それが

・ぬか床の塩は雑菌の繁殖を抑える

・ぬか床の塩はぬか漬けの味の一部になる

・ぬか床の塩の浸透圧でぬか漬けは作られる

ぬか床を塩を入れるだけでいろんなことをしてくれるのです。

これを知った時は私は、おおげさですが「ぬか床って奇跡の食べ物だな」と感心しました(笑)

では、塩の3つの役割をさらに詳しく説明しましょう!

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ぬか床の塩の役割

ぬか床の塩は雑菌の繁殖を抑える

ぬか床の中には

・乳酸菌

・酵母菌

などが存在していますが、実はそれら以外にもいろんな雑菌が存在しています。

雑菌が増えるとぬか漬けが美味しくならないだけでなく、ぬか床が腐ってしまい使いものになりません。

腐敗の一歩手前であれば、時間をかけてあれやこれやと手を施せば、ぬか床を復活させることはできます。

しかし、完全に腐ってしまったぬか床は捨てるしかありません。

そこでぬか床の中の塩に注目です。

ぬか床に入れた塩は雑菌の繁殖を抑えてくれます。

なぜなら雑菌は塩分濃度が高い場所では繁殖できないからです。

逆に乳酸菌や酵母菌は、塩分がある場所でも生き続けることができます。

ぬか床がお手入れ次第で何年も長持ちするのは、塩分のおかげでぬか床の環境が常に良い状態にキープされているからです

 

ぬか床の塩はぬか漬けの味の一部になる

ぬか床の味といえば

・酸味

・旨味

・塩気

で、これらの組み合わせでぬか漬けならではの美味しさが産まれます。

酸味は乳酸菌が元になり、ぬか床に漬ける時間が長いほど、そして乳酸の発酵が進むほど(温度が関係)酸味が増します。

旨味は、ぬか床に混ぜる風味成分(昆布とあか鰹節など)によって味が変わります。

そして、ぬか漬けの塩気は塩によって味付けされます。

ぬか床に漬ける時間が長いほどぬか漬けは塩辛くなります。

ちなみに漬けすぎて塩辛くなったきゅうりはお茶漬けのお供にピッタリです!

ぬか床の塩の浸透圧でぬか漬けは作られる

ちょっと難しい言葉が出てきましたが、確か高校の理科で習ったように気がします・・・

塩には浸透圧作業があり、そのおかげで野菜をぬか床に入れるとぬか漬けになります。

浸透圧とは濃度が違う2つものが並んでいると、濃度の低い方から高い方へ水分が移動する現象のこと。

濃度を同じにしようとして水が移動するのです。

こんなこと知らなくてもいいし、覚えなくも大丈夫ですよ(笑)

 

ぬか床の中に野菜を入れると何が起こると簡単に説明すると

野菜の中の水分や栄養素(糖分など)が浸透圧でぬか床の中に出る

乳酸菌がその栄養素をエサにして繁殖する

その過程でぬか漬けの美味しさの元(アミノ酸や乳酸菌)がぬか床の中に生まれる

それらと元々ぬか床にあったビタミンなどの成分が野菜に染み込む

美味しいぬか漬けの出来上がり!

ざっとこんな流れでぬか漬けができます。

塩の浸透圧作用がないとぬか漬けはできないのです。

こんな風に塩の役割はぬか漬けにとって超需要なのですが、「こんな理屈でぬか漬けってできるんだ〜」となんとなく知ってもらえればいいと思います。

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ぬか床の塩に関する注意点

スプーンの上の食塩

ぬか床の中の塩分が少なくなると・・・

ということでぬか漬け作りに塩は欠かせません。

しかし、ぬか漬けを作るたびにぬか床の塩分は野菜に移動するので、少しずつぬか床の中の塩分は少なくなります。

ぬか床の中の塩分が少なくなると

・ぬか床に雑菌が繁殖しやすくなる

・浸透圧が働かなくなる

つまり、ぬか床がダメになったり、ぬか漬けの味が美味しくなくなったりします。

定期的にぬか床に塩を足してあげよう

ぬか漬けを作っていると必ずぬか床の中の塩分は減るので定期的にぬか床に塩を足してあげます。

そのタイミングは

・足しぬかの時にぬかと合わせて足す

・ぬか漬けを食べて「塩気が足りないな」と思ったら足す

足しぬかをする時は必ず塩も足しましょう。

塩の量は足すぬかの約10%(そんなに厳密でなくてよい)

足しぬかの時に塩を足してあげないと、足しぬかをすればするほど、ぬか床全体の塩分濃度が下がってしまいますからね。

ただ、これだけだと「その時に足すぬかに対して必要な塩分を入れてるだけ」なので、それまでに野菜に吸い取られた塩分を補充したことにはなりません。

だから、ぬか漬けを食べて塩気の足りなさを感じたときも塩を足しましょう。

 

私が塩を足す目安にしているのはきゅうりの漬かり加減。

きゅうりは一番ぬか漬けにしているので味の変化が分かりやすいんです。

足す量は特に決まっていないのですが、1回で入れる量は、特に決まりなく小さじ1くらいでよいでしょう。

ポイントは一度に大量の塩を投入しないこと。

塩を入れすぎるとぬか漬けがすごく塩辛くなります。

一度に入れる量は小さじ1くらいにして、翌日以降にぬか漬けの味をチェックして足りないと感じたら、さらに小さじ1を足す。

それを繰り返しほど良い塩加減を探します。

「塩加減なんて分からない」と思われるかもしれませんが、慣れてくればなんとなく分かりようになります。

塩加減をチェックする野菜はきゅうりがオススメですよ。

こんな風に書くと、そんな塩分濃度に気を使うのか?と面倒に感じるかもしれません。

でも、そんなに神経質にならなくて大丈夫。

塩を足し忘れたからといって、すぐにぬか床がダメになることはありません。

少なくとも足しぬか床の時に塩を合わせて足すことは忘れないようにしましょう。

まとめ

今回は、ぬか床に入れる塩の3つの役割を説明しましが、これらのことが分かったのは最近のことです。

科学の力で昔の人の知恵が理にかなってると証明されたのです。

私が特に感心したのは、塩の浸透圧作用でぬか漬けができること。

そして浸透圧なんて知らなくても誰でもぬか漬けを作ることができること。

私はこのことを知ってからぬか漬けの奥の深さを知り、ぬか漬けのことがさらに好きになりました!

【参考記事】ぬか漬けの塩分はやっぱり多い。摂り過ぎない食べ方を紹介

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