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ぬか漬けを作っていると、ぬか床の表面に水が溜まることがあります。
この場合、水抜きをしないといけませんが、2つの対処法があって、
それが
・足しぬかをする
・水抜きをする
なのですが、
実は、ぬか床に水が溜まったときの対処法について、
「足しぬかをする!」という方と
「水抜きをする!」という方がいます。
どちらも正しいのですが、私は、まずは足しぬかをすることをオススメします。
ぬか床の水抜きをする前に知っておくべきこと
ぬか床の水抜きのやり方の前に
・ぬか床に水が溜まる原因
・溜まった水を放置するとどうなるか
これを知っておいたほうが良いです。
では、詳しくお話していきましょう。
ぬか床の表面に水が溜まる原因
ぬか床の表面に溜まる水の正体は野菜から出てきた水分。
ぬか床には塩分があるので、ぬか床と野菜の間の浸透圧で、野菜の水分がぬか床に移動します。
発酵が進みやすい春と秋、そして特に夏はぬか床に水が溜まりやすいです。
あと、水分を多く含む野菜をぬか漬けにしたときも水が溜まりやすいですね。
溜まった水を放置するとどうなるか
溜まった水をそのまま放置すると、雑菌をやっつける塩分の濃度が低くなり、それが原因でカビが生えやすくなります。
そして、ぬか床が腐ってしまい使いものにならなくなるのです。
あと、乳酸菌の濃度も低くなるので、ぬか漬けも不味くなります。
そういう理由で、ぬか床に水が溜まったら対処が必要なのです。
水抜きより足しぬかを優先する理由
ぬか床に水が溜まったときに優先するのは足しぬかです。
上記でも説明しましたが、水分の正体は野菜から出た水分。
この水分には、野菜の栄養やうま味成分が含まれていて、これがぬか床に移動することで、そのぬか床の風味となります。
つまり、ぬか漬けを美味しくするために、この水分をできるだけ捨てたくないのです。
水抜きをすると、せっかくの栄養やうま味成分を取ることになり、もったいないです。
どうせなら、それも有効活用したいですよね。
要するに
「いきなり水抜きしても間違いじゃないけど、ぬか漬けを美味しくするなら、足しぬかを優先したほうが良いよね」
ということです。
しかし、水抜きをした方が良いケースがあります。
足しぬかより水抜きを優先するケース
ぬか床の水が溜まるときは、本当に連日といっていいほど水が溜まります。その度に足しぬかをしていると、それが原因で乳酸菌の濃度が低くなることに。
そうなると発酵する力が弱くなり、ぬか漬けの漬かり方も弱くなり美味しくなくなるのです。
ですので、連日、足しぬかを繰り返してぬか漬けの酸味が薄くなりそうなら、水抜きに切り換えてください。
ぬか床の水抜きのやり方
水抜きのやり方はいくつかあります。
①キッチンペーパーで吸い取る
②お茶パックを使う
③ぬか床用の水取り器を使う
④干し椎茸を入れて水分を吸わせる
⑤スポイトで吸い取る
それぞれ詳しく説明しましょう。
キッチンペーパーで吸い取る
ぬか床の表面に浮いている水をキッチンペーパーを当てて吸い取ります。
これがティッシュペーパーだとすぐにビチョビチョになり、上手くできないので、キッチンペーパーのほうが良いですね。
これが、最もオーソドックスなやり方です。
お茶パックを使う
「また、水が溜まるだろうな」と分かっている時に、事前に水を吸い取るものを用意して、ぬか床に入れておきます。
キッチンペーパーを丸めてお茶パックの中に入れ、それをぬか床の真ん中に作った凹みに入れてください。
すると、それが余分な水分を吸い込んでくれるので、あとは取り出して捨てるだけ。
意外と水分を吸ってくれるのですが、取れきれない水分がぬか床の表面に残ることがあり、その時はキッチンペーパーで吸い取ることになります(笑)
ぬか床用の水取り器を使う
Amazonや楽天などの通販で、それ用に作られた、ぬか床の水取り器が売っています。
材質は、磁気、鋳物、琺瑯など。
ミニサイズのコップのような形で、側面に小さい穴がいくつか開いています。
これをぬか床に埋めておけば、小さい穴を通って水分が水取り器の中に入るのです。そして、水取り器をぬか床から取り出して、中に溜まった水分を捨てるだけです。
干し椎茸を入れて吸わせる
干し椎茸はカラカラに乾燥しているので吸水性があり、これをぬか漬けを作るかのようにぬか床に入れ、水分を吸わせます。
元々、乾燥しているのでぬか床に余計な水分は出ないし、ぬか漬けとして食べることもできます。
そして、干し椎茸の旨味成分がぬか床に風味を加えてくれます。
「ぬか床に風味を足したいな」と思うときにしてみてください。
詳しくは干し椎茸のぬか漬け。目的はぬか床に旨味を加え水分を取ることで説明しています。
スポイトで吸い取る
ぬか床にスポイトを突っ込むって、なんだか変な感じですよね。
でも、スポイトで吸い取るだけなので、キッチンペーパーは減らないし、わざわざお茶パックを仕込まなくていいのです。
ちなみにスポイトは100円均一で売っています。
最後に
ということで、5パターンの水抜きのやり方を紹介しましたが、どれも一長一短あって、完璧ではないんですよね。
ちなみに、私は普段はキッチンペーパーを使って、水が溜まりやすい時期になると水取り器も併用するようにしています。