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床分けとは、ぬか床を作り、捨て漬けをする時に「くず野菜」の代わりに「熟成済みのぬか床」を使うことです。
やり方は簡単です。
「熟成済みのぬか床」と「熟成していない出来たてホヤホヤのぬか床」を混ぜるだけ。
くず野菜を入れたり出したりする必要がないので、手間がかからずとても楽なのです。
毎日、混ぜてるだけでぬか床が出来上がります。
先日、くず野菜を使わず、床分けでぬか床を作ってみたので、その様子を写真付きで紹介します。
ぬか床の床分けのやり方
床分けで用意するもの
・米ぬか
・自然塩
・ペットボトルの水
・熟成済みのぬか床
床分けのやり方
まず、米ぬか、水、塩を混ぜてぬか床を作ります。当然、これには乳酸菌はいません。
そして、出来上がったものに熟成済みのぬか床を加えて混ぜます。
左が熟成ぬか床、右が出来たてのぬか床(乳酸菌がいない)
この2つを混ぜるだけです。
混ぜたものを容器に移します。
新しいぬか床と熟成ぬか床の割合は
3:1または4:1くらい。
あとは、毎日1回かき混ぜるだけ。
最初に、熟成ぬか床でそれなりの量の乳酸菌を入れているので、くず野菜を使った捨て漬けより発酵の進み方は早いです。
発酵の進み具合の確認は、「ぬか床の表面に産膜酵母が出るまでの日数」を目安にできます。
くず野菜を使った捨て漬けだと10日前後かかります。
床分けのときは、2日後には産膜酵母が出てくれました。
これが床分けをして10日後のぬか床。
くず野菜を使った捨て漬けより明らかに発酵のスピードが早いです。
結局、床分けでのぬか床作りは2週間で終わらせました。
ぬか床の床分けのメリット
ぬか床を床分けするメリットは2つ
①捨て漬け期間中にくず野菜を出し入れする必要がない
②元々のぬか床の味を引き継ぐことができる
もう少し詳しく説明しましょう。
①捨て漬け期間中にくず野菜を出し入れする必要がない
本来の捨て漬けは、数日ごとにぬか床から野菜を取り出して、新しい野菜と入れ替えます。
正直、この作業が面倒くさいです。しなくて良いなら、やりたくないですね。
床分けでぬか床を作ると、この作業が無くなり、毎日1回、ぬか床をかき混ぜるだけで良くなります。
よって、ぬか床にかける手間が大幅に減りとても楽になります。
なので、2個目のぬか床を作るなら、捨て漬けするより床分けでした方が絶対に良いです。
②元々のぬか床の味を引き継ぐことができる
ぬか床は、誰が作るか、どこで作るかで、中に何を入れるかで、出来るぬか漬けの味は変わります。
「家ごとにぬか漬けの味が違う」と言われるのはそういうことです。
ぬか床ごとに個性があります。
元々のぬか床の味を再現したいなら、床分けでぬか床を作ったほうが良いということです。
床分けのデメリット
床分けのデメリットは、「熟成済みのぬか床がないとできない」ということ。
なので、ぬか床を初めて作ろうとしている初心者は、やろうと思ってもできません。
床分けでぬか床を作ることができる人は、すでに熟成済みのぬか床を持っている人か、家族や知り合いにぬか漬け作りをしている人がいるケースに限られます。
そういう人は、「もう1つぬか床を作ろうか」という感じで、床分けでぬか床を増やすことができます。
逆に、熟成済みのぬか床が無い人は、最初だけはゼロからくず野菜を使ってぬか床を作るしかありません。
もしもの時に備えてぬか床を冷凍保存しておく
もし、可能であれば床分け用のぬか床を冷凍保存しておくと良いでしょう。
なぜなら、何かの理由で(例えばカビが生えた)、ぬか床を作り直すことになったとき、それがあればすぐに新しいぬか床を作れるから。
もしもの時の保険ですね。
冷凍でカチカチに凍ったぬか床
逆に、冷凍したぬか床のストックがなければ、ゼロからぬか床を作り直さないといけません。
冷凍保存する時は、ぬか床をジップロックに密封しコンパクトにして冷凍庫の端っこにでも保管しておきます。
半年〜1年間くらいは保存できるでしょう。