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ぬか床作りは、やろうと思えばいつでも始めることができますよね。
でも、ぬか床作りにはベストな時期があります。
それは春です。
春にする「ぬか床作り」は
・ものすごく楽ちん&手間がかからない
・失敗しにくい
といったメリットがあります。
夏や秋でも、できないことはありません。
ベストが春なんです。
逆に絶対にオススメできないのが冬。
初めてぬか床を作る初心者の方は、冬は避けた方が無難です。
ということで、今回は、季節ごとのぬか床作りの注意点を説明します。
そして、私の失敗事例も紹介しましょう。
ぬか床作りにベストな時期
季節ごとのぬか床作りについて説明します。
その前にまずはぬか床と気温の関係についてお話ししておきます。
ぬか床作りは温度(気温)が大事
先ほどから、春とか冬とか、さかんに季節のことを言っています。
なぜなら、ぬか床作りで気にすべきは気温だから。
ぬか床を作るとき、ぬか床に乳酸菌を移して増やすために捨て漬けをしますよね。
乳酸菌が活発に働いてくれる気温が20度〜25度の間。
20度以下だと乳酸菌の活動が低下します。
25度以上だと過剰発酵します。
20度〜25度の気温があてはまる季節が春と秋なんです。
でも、春のほうが良いのです。
その理由を説明します。
秋より春が良い理由
春も秋も同じ気温ですが、ぬか床作りに関していえば事情が違います。
春にぬか床を作ると、春→夏→秋と気温が高い日が続くので、ぬか床に乳酸菌を定着させて育てる期間を長くキープできるのです。
秋にぬか床作りを始めると、すぐに乳酸菌の活動が鈍くなる冬に突入します。
ぬか床をしっかりと育ててることを考えると、秋に始めるのはベストとは言えません。
産まれたてのぬか床のスタートダッシュを考えると、秋より春の方がぬか床作りに向いています。
秋にぬか床を作るのがダメと言ってるわけではありません。
温度管理をきちんとすればできないことはありません。
ただし「春に比べて、ぬか床作りに苦労するよ」ということです。
夏のぬか床作り
夏のぬか床作りも悪くありません。
春や秋との違いは、夏は気温が高過ぎること。
部屋の温度が30度を超えることもあるでしょう。
ですので、ぬか床を適温にキープするために
・冷房のある部屋にぬか床を移動させる
・留守にする時はぬか床を冷蔵庫に避難させる
など
春や秋に比べて、ぬか床管理にひと手間かけてあげないといけません。
逆に、春や秋は、そんなことは気にせず、常温の部屋に放置しておけます。
それがものすごく楽なんです。
ということで、夏にぬか床を作っても全然構わない・・・
ただし「春や秋に比べて、少しだけ面倒くさいですよ」ということです。
冬はぬか床に作りに向いていない
冬はぬか床作りに向いていません。
全力でオススメしません!
なぜなら、温度が低すぎて乳酸菌が増えないから。
捨て漬けしても、発酵のスピードが遅かったり、まったく進まなかったりします。
普通は、捨て漬けを初めて2〜3週間くらいでぬか漬けを作れるようになるはずが、その期間を超えてもぬか漬けがきちんと発酵してくれません。
ということは、ぬか漬けもきちんと発酵せず、美味しくならないのです。
冬に、ぬか床作りをするなら、春まで待ちましょう。
数か月、我慢して先延ばしにする価値は十分あります。
どうしてもぬか漬けを食べたいなら、熟成済のぬか床がネットショップで売っているので、それを取り寄せましょう。
熟成済のぬか床は、すでに発酵しているので、届いてすぐに野菜を入れてぬか漬けを作ることができます。
私の失敗事例
私もぬか床作りの時期を間違えて、ちょっとした失敗をしています。
その時、私がぬか床を作り始めたのは11月の終わり頃。
秋も終わりに近づき、これからさらに寒くなろうかという最悪のタイミングでした。
捨て漬けをし3週間経っても、ぬか床の発酵があまり進みません。
捨て漬けが上手くいっている判断基準の1つが、ぬか床の表面が白くなるかどうか。
この白いのは産膜酵母です。
順調だと1週間から10日くらいでぬか床の表面が白くなります。
そのあとは、ぬか床をかき混ぜて表面が白くなるまでの時間が短くなり、その白さも濃くなっていきます。
しかし、この時は白くなるのに時間がかかるし、なったとしてもうっすら白くなるだけ。
仕方なく「捨て漬け完了」とは言い切れない状態でぬか漬け作りをスタートしました。
ただ、その時点で季節は冬。
乳酸菌があまりいないぬか床で作るぬか漬けは、酸味が少なく、私が満足できるものではありません。
今の私なら、そのまま春までやり過ごして、暖かくなってからぬか床の状態を整えることはできるでしょう。
しかし、その時はそんな発想はありませんでした。
「ぬか漬けの味をなんとかしたい」と苦し紛れにしたことでぬか床にとどめを刺しました。
それは、旨味材料の昆布、鰹節、干ししいたけを大量にぶち込んだこと。
これは逆効果でした。
入れ過ぎた旨味材料のせいでぬか漬けの味はおかしくなり、ぬか床も元の状態に戻せなくなったのです。
残念ながら、そのぬか床は処分することになりました。
まとめ
ということで、ぬか床作りのベストシーズンは春です。
その次に良いのが夏または秋。
冬はオススメしません。やめておきましょう。
もし、この記事を読まれているのが冬なら、春まで待った方がいいです。
熟成ぬか床を買ってきて、それでぬか漬けを作ったほうが良いでしょう。